5月13日に景気動向指数の低下から内閣府が基調判断を「悪化」に引き下げましたが、これは非常に重要な意味を持っています。
まず第一に6年2か月ぶりに基調判断を大きく引き下げた点です。6年前の2013年といえば、安倍政権が誕生した直後で、日本銀行を主体とする異次元の金融緩和が始まった年。実は当初から日本の経済状況から「異次元緩和は5~6年程度が限界」と言われていたことから、その限界点とほぼ同じタイミングでの引き下げとなっています。
第二に内閣府が景気の悪化を正式に認めた点です。今まで消費増税などで景気が下がっても基調判断を「悪化」としなかったことを考えると、この1年間の景気後退は日本経済にとって、消費増税に匹敵するような大きなダメージがあったとも言えるでしょう。
米中貿易戦争の激化から株価の急落や低迷が続いていますが、これも序章に過ぎない可能性が高いです。アメリカのトランプ大統領はさらなる対中制裁の強化を主張している上に、日本との貿易に関しても色々と要求を強めています。
これは次の大統領選挙で再選するまで続くと予想され、米中貿易戦争と対日要求の激化で日本政府は動けない流れになりそうです。
また、日銀による市場介入にもトランプ大統領は疑問を投げ掛けているわけで、これからは株や為替が急落しても前みたいな買い支えは出来ないと見られています。世界経済の先行きも暗くなっていることを考えると、令和元年は株価暴落や超円高が起きても不思議ではないと分析することが出来るのです。
菅官房長官、追加経済対策に含み=消費増税方針変わらず
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190513-00000079-jij-pol
菅義偉官房長官は13日午後の記者会見で、内閣府が3月の景気動向指数の基調判断を「悪化」に引き下げたことを受け、今後の状況次第で追加経済対策を検討する考えを示唆した。
菅長官は、まずは2019年度予算の中で対応すると強調した上で、「状況を見て、さまざまな判断をしていくことは当然だ」と含みを持たせた。
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