*地震調査委員会
2月27日頃から千葉県東方沖で群発地震が続いていますが、この群発地震は東日本大震災前にも観測されたスロースリップ現象と酷似しています。
東京大学の平田直教授と加藤愛太郎助教らは、東日本大震災の震源付近で3月11日の発生前から、スロースリップ現象が三陸沖で発生していたと報告。発生していたのは2011年2月頃だと分析され、このスロースリップ現象が巨大地震の発生を促した可能性があるとされています。
スロースリップとはプレート境界の断層がゆっくりズレ動く現象のことで、巨大地震前になると蓄積されたエネルギーが開放されようとして、周囲の断層を押し上げることでスロースリップ現象が発生。
実は東日本大震災で動いた東北地方の断層と隣接しているのが関東地方の沖合に位置している太平洋側の断層で、ここには東日本大震災の影響でズレ動いた断層と動かなかった断層の間に膨大な量のエネルギーが蓄積されているのではないかと分析されているのです。
アウターライズ地震とも呼ばれる海溝型地震であり、その前兆現象が一連の千葉県東方沖で起きた地震ということになります。
現時点で断定することは難しいですが、千葉東方沖の群発地震が巨大地震の前兆である可能性は否定できず、東日本大震災から13年が経過した今だからこそ、改めて海溝型地震の発生に注意を強めたいと言えるでしょう。
「千葉県沖でスロースリップによる不気味な揺れが、続発しているのが気になります。’11年3月の東日本大震災前にも、震源地近くでスロースリップによる地震が多発していました。巨大災害の導火線になる可能性があるんです」
こう警鐘を鳴らすのは、元東京大学地震研究所准教授で深田地質研究所客員研究員の都司嘉宣(つじよしのぶ)氏だ。
スロースリップとは、プレート境界の断層がゆっくりズレ動くこと。小さなズレが何度も起きれば、大きな地震を引き起こすことになりかねない。千葉県沖では2月下旬から震度1以上の地震が25回以上発生し、海底が2㎝ほど南東へ動いたと推測される。都司氏が続ける。
東日本大震災、三陸沖で特異なプレート滑り 2月から
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1100P_R11C11A0CR0000/
東京大学の平田直教授と加藤愛太郎助教らは、東日本大震災の震源付近で3月11日の発生前から、海底のプレート(岩板)がゆっくりと滑る特異な現象が起きていたとする研究成果をまとめた。「スロースリップ」と呼ばれ、東海地域では東海地震の前兆とされているが、三陸沖では想定外だった。マグニチュード(M)9.0の巨大地震の発生を促した可能性があるという。詳細を12日に静岡市で開かれる日本地震学会で発表する。
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