*イラン
1月8日のイランによる米軍基地攻撃で緊張感が一気に高まりましたが、昨夜のトランプ大統領の演説を受け、まずは沈静化の方向に向かっています。
イラクではシーア派の指導者であるサドル師が「この恐ろしい危機は過ぎた」と声明を発表し、最悪の事態は避けることが出来たとコメント。日本の安倍晋三首相も「日本は全ての当事者に対して自制的な対応を強く求めてきた。自制的な対応を評価するのが日本の立場だ」と述べ、トランプ大統領の演説を高く評価しています。
そもそも、今回の騒動の発端はアメリカ軍によるイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官殺害事件でした。アメリカはイラン革命防衛隊をテロリストと認定し、テロリストグループのリーダーだとしてソレイマニ司令官への空爆を決行。
それを受けてイランが猛反発し、数百万人が葬儀の行進に参列するなど、イランの民意として反米感情が高まりました。
おそらく、アメリカとしてはイランがここまで反発したのは想定外だったのだと思われます。このタイミングで何らかの接触や交渉が水面下で行われた可能性が高く、最終的には落とし所として、事前通告ありの限定的なミサイル攻撃だけになったのでしょう。
イランの攻撃は慎重かつ丁寧で、攻撃目標はアメリカ軍基地の倉庫や滑走路だけに限定されていました。
トランプ大統領も犠牲者が居なかったことで武力行使には踏み切らなかったわけで、無難な結果に落ち着いたと見ることが出来ます。
ただ、イランの国民はアメリカへの怒りが根強いことから、民兵組織などが暴発する恐れもあり、引き続き中東情勢は注意が必要です。
イスラム教シーア派が多数派を占めるイラクで、強い影響力を持つシーア派指導者のサドル師はトランプ大統領の演説を受け8日付けで声明を出し、この中で「この恐ろしい危機は過ぎた」としてアメリカとイランの間で緊張がさらに高まる事態は避けられたとの認識を示しました。
安倍首相、米大統領声明を評価 「自制的な対応」 イラン情勢
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200109-00000035-jij-pol
安倍晋三首相は9日、イラン情勢に関するトランプ米大統領の声明を受け、「日本は全ての当事者に対して自制的な対応を強く求めてきた。自制的な対応を評価するのが日本の立場だ」と述べた。
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