東京電力が福島第一原発の凍土壁で冷却材の一部が漏れた可能性があるとして、補修や原因調査を行うと発表しました。
冷却材の漏えい疑惑が浮上したのは今月7日から冷却材を貯めているタンクの水位が急激に下がったからで、減った量から約1600リットルが流出したと推計されています。
詳しい原因などは不明としていますが、凍土壁を作るための冷却水を循環させる仕組みでパイプなどが破損し、水漏れが発生している可能性が高そうです。
また、これとは別件で多核種除去設備で大きな水溜まりが確認されました。この水溜まりは多核種除去設備のHIC(高性能容器)排水ラインフランジ下部で発見され、漏洩防止用のカバーで破損が確認されたと発表されています。
東電はカバーの取り替えとフランジ部の締めを強化し、漏洩防止対策を行ったとしていました。
いずれも長年の事故対応による設備の老朽化が要因にありそうで、今後も似たようなトラブルは多発することになりそうです。
福島第一原子力発電所 既設多核種除去設備における水たまりの確認について(続報)
http://www.tepco.co.jp/press/mail/2020/1526025_9002.html
既設多核種除去設備における水たまりの確認について、その後の状況をお知らせします。
当社社員が現場を確認したところ、吸着塔からHIC(高性能容器)への排水ライン下流側フランジ部の滴下は停止していましたが、フランジの漏えい防止カバー内に水が溜まっており、更にカバーに破れが生じていたことから、水たまりはカバーの中に少量溜まっていた水が滴下したものと判明しました。
念のため、フランジ部の増締めを行い、カバーの取り替えを実施しました。
溜まり水の分析結果※は以下の通りです。
・試料採取日 1月9日
・全β放射能:4.0×10^4 Bq/L
※Cs-134、Cs-137については、採取量が少なく分析ができないため至近の
既設多核種除去設備入口の分析結果で評価
至近の既設多核種除去設備入口の分析結果(2019.6.28)
・Cs-134:4.8×10^2 Bq/L
・Cs-137:6.4×10^3 Bq/L
福島第一原子力発電所の汚染水の発生を減らす対策として運用されている凍土壁の冷却材が一部で漏れたおそれがあり、東京電力では原因の特定を急いでいます。
凍土壁は福島第一原発の建屋の周囲の地盤を凍らせて、地下水の流入を防ぎ、汚染水の発生を減らそうと、4年前から運用が始まりました。
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