*官邸
政府が「予想以上の申請があった」として職域接種の受け付けを停止すると発表しましたが、その原因は政府の見通しの甘さだとして批判の声が高まっています。
元々、政府はワクチン接種を加速させるために自治体や企業に積極的な申請を呼び掛けており、それからワクチン接種の申請数が全国的に急増。
今週になってからモデルナ製を使った職場・大学接種の申請停止を表明し、さらにファイザー製を使った自治体でのワクチン接種も見直す可能性があると表明しました。
東京新聞の記事には、「これまで政府は自治体をせかし続けてきた。菅義偉首相は4月の記者会見で7月末までの高齢者接種完了を表明。間に合わない自治体には、前倒しを強く求めた。ワクチン供給が急減すれば、自治体は急速に膨らんだ接種態勢の縮小を迫られる。実際、岐阜県各務原市は8月から、首相要請を受けて2カ所から8カ所に増やした集団接種会場を全て閉じると決めた」と書いてあるほどで、ワクチン接種の拡大に向けて準備していた自治体や企業は突然の方針転換に困惑しているのが実情です。
それこそワクチン接種の会場なども整備していたのに、政府が方針を変えたことで使えないまま放置される場所もあり、政府の見通しの甘さがワクチン提供体制に混乱を招いていると言えます。
6月30日の記者会見で加藤勝信官房長官は「受け付けの再開は当面困難だ」と述べ、日本政府として必要なワクチンの確保が出来ていないと発言していました。
大手企業から優先してスタートした上で、中小企業のワクチン接種が本格化する前に職域接種が打ち切られたこともあって、中小企業からは「不公平だ」「平等な対応をしてほしかった」「会社差別では」などと怒りの声も相次いでいます。
職域接種 供給量を上回る申請「精査し対応検討」加藤官房長官
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210630/k10013111221000.html
申請の受け付けを一時休止している新型コロナウイルスワクチンの職域接種について、政府内では、供給できるワクチンの量を上回る申請があることから、受け付けの再開は当面困難だという見方が強まっています。
自治体のワクチン接種、一転ブレーキ 職域接種に続き…政府の見通しの甘さ露呈<新型コロナ>
https://www.tokyo-np.co.jp/article/113591
新型コロナウイルスのワクチン接種を加速してきた政府が一転してブレーキを踏み始めた。米モデルナ製を使った職場・大学接種の申請停止に続き、河野太郎行政改革担当相は29日、米ファイザー製を使った自治体での接種のスピードダウンに言及。接種の能力を高めようとしてきた自治体や企業は方針転換を迫られる。背景にあるのは、ワクチンの需要と供給のバランスに関する政府の見通しの甘さだ。(井上峻輔)
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