今月は観測史上最大となる多数の太陽フレアが発生しましたが、これは序章に過ぎません。
2022年に総務省が発表した太陽フレアの調査報告書には、太陽活動が2025年にピークの極大期となり、最悪のシナリオで携帯電話やテレビが使えなくなるなどの深刻な影響が出ることになると記載されていました。
太陽活動は11年周期で活発な時期と静穏期を繰り返していますが、来年に最も活動が強い時期になると予想されているのです。
今の太陽フレアですら来年の極大期に向けた序章に過ぎないと見られ、本番は最大規模X級の中でもさらに巨大な太陽フレアが発生する可能性が高いと予想されています。
過去に人間が経験した最強クラスの太陽フレアでは原爆100億個分に匹敵するエネルギーが放出されており、それによって発電所などが停止した記録が残っていました。
様々な電子機器が普及している現代社会において太陽フレアの影響は非常に深刻であると言え、総務省のまとめた調査報告書だと携帯電話の通信やテレビなどの放送が2週間停止し、警察無線や消防無線、110番や119番を含む全ての通信が繋がり難くなるとされています。
GPS衛生の精度も太陽フレアの影響で乱れ、それによってGPSを利用している飛行機や艦船、車両も止まることになるでしょう。
そして、原子力発電所のような重要設備を管理しているシステムや電子機器にも異常が発生することが否定できず、過去に発電所の送電線が太陽フレアの磁気嵐で焼き切れたことを考えると、電気関係全般に被害が出ると思われます。
太陽フレアは放出される場所や向き、角度によって地球への影響も大きく変わることから、現時点で最悪のシナリオは絶対とは言い切れませんが、来年の極大期には下手をすると現代文明をリセットするほどの太陽フレアが発生するかもしれないということは真剣に考えておくべきです。
総務省 宇宙天気予報の高度化の在り方に関する検討会 報 告 書
https://www.soumu.go.jp/main_content/000821116.pdf
2024/ 5/13 13:11 更新
太陽風は高速の状態が続いています。磁気圏の激しい乱れは落ち着いて来ました。担当 篠原
昨夕、12日18時(世界時12日9時)に、
太陽風の急な強まりがACE衛星で観測されました。
速度は既にかなり高速でしたが、
830km/秒から900km/秒へ再び高まり、
5nTと平均的な値に戻っていた磁場強度は、
11nTへ再び強まりました。
昨日紹介したNOAA/SWPCの予報通りと言える到来でした。
太陽の表面で起きる爆発現象「太陽フレア」。最悪の場合、携帯電話が2週間使えなくなるといった被害想定を総務省が公表しました。2025年に大規模な太陽フレアが起こると、私たちの生活に様々な影響があるといいます。一体どんな影響が出るのか、私たちはどんな備えができるのかなど、専門家を交え解説します。
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