6月18日に大阪で観測した震度6弱の地震について、専門家から「9世紀の慶長伏見地震と類似している」というようなコメントがありました。
地震考古学の第一人者である寒川旭(さんがわあきら)氏はメディアの取材に対して、大阪北部地震の発生状況が1596年に発生した慶長伏見地震と似ていると言及し、これから更に大きな地震が起きるかもしれないと警鐘を鳴らしています。
実際、過去の巨大地震は単発で終わるケースは稀で、前震や大量の余震がセットで発生していました。今回の大阪北部地震は長いスパンでの前震であると考えることが出来るのかもしれません。
別の専門家からは南海トラフ巨大地震との連動性を指摘する声も出ています。最新の研究調査で大地震の発生周期には短期的な100年程度のスパンとは別に、超長期的な数千年規模のスーパーサイクルがあることが分かってきました。
東日本大震災がスーパーサイクル型の巨大地震であり、次の南海トラフ巨大地震もスーパーサイクルの時期になると指摘を受けているのです。
スーパーサイクルは通常のサイクルよりも発生までの年月が長いですが、その威力は桁違いに大きくなります。産業技術総合研究所の宍倉正展さんは「前回のスーパーサイクルの巨大地震は宝永地震かもしれない。次の南海トラフ地震は(宝永・1707年から)300数十年(経ったとすると)、(400~600年周期に)短いかもしれないが、(スーパーサイクルに)なってもおかしくない」とコメントしており、スーパーサイクルによる巨大地震の発生を懸念していました。
いずれにせよ、大阪北部地震はこれで終わりになるかは未知数で、今後も引き続き大地震への備えを強化する必要があると言えるでしょう。
南海トラフ巨大地震について
http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/tokai/tokai_eq2.html
「地震の発生状況、9世紀に似ている」 大阪北部地震
https://www.asahi.com/articles/ASL6P4J8PL6PPTFC00C.html
大阪府北部を震源とする最大震度6弱を記録した地震の被災地は、過去にも大地震に見舞われている。豊臣秀吉が天下を統一した時期にあたる1596年の「慶長伏見地震」だ。「地震考古学」の第一人者として知られる寒川旭(さんがわあきら)・産業技術総合研究所名誉リサーチャー(71)に、慶長伏見地震と今回の地震の特徴などについて聞いた。
【特集】南海トラフ地震の「スーパーサイクル」とは? 次は超巨大津波の可能性も
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180621-10000001-mbsnews-l27&p=2
南海トラフ地震は、静岡県の駿河湾から九州東方沖まで続く海底を震源に繰り返し起きている巨大地震です。その周期は100年から150年とされていて、前回は戦前の1944年と1946年にM7.9とM8.0の地震が起きています。その90年前の江戸時代、安政期にはM8.4の地震が2つ続けて発生。さらに、約150年前の江戸時代・宝永期には3つの震源域が同時に動き、過去最大級のM8.6の地震を起こしたことがわかっています。南海トラフ地震はその大きさや発生時期にばらつきがあるのです。
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