企業が人件費に使っている資金の割合を示す「労働分配率」が低下しています。
9月3日に財務省が発表した2017年度の法人企業統計によると、66.2%で43年ぶりの低水準を更新したとのことです。これはバブル期よりも低い数字で、企業が人件費に全く使ってない実態が浮き彫りになったと言えるでしょう。
労働分配率では企業の利益などから賃金や福利厚生費に充てた割合を計算しており、ピークは2008年の74.7%でした。
また、消費支出に占める食費の比率を示す「エンゲル係数」も悪化傾向が鮮明で、2017年は25.7%となっています。これは先進国の中でもダントツの悪い数字であり、安倍政権になってから急増しているところです。
年次別法人企業統計調査 概要
https://www.mof.go.jp/pri/reference/ssc/results/h29.pdf
労働分配率の下落続く、17年度 43年ぶり低水準、企業統計
https://this.kiji.is/409304143767454817
財務省が3日発表した2017年度の法人企業統計では、企業が稼ぎを人件費に回す割合を示す「労働分配率」の下落が続いた。17年度は66.2%でバブル期にも及ばず、43年ぶりの低さ。蓄えを指す「内部留保」や業績が高水準でも政府の賃上げ要請が響かず、デフレ脱却の鍵を握る個人消費の活性化がおぼつかない構図を表している。
アベノミクスのツケ…エンゲル係数が“最悪”視野に急上昇中
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/236750/2
エンゲル係数の推移を調べると、06年から12年までは23%台で安定していた。ところが、第2次安倍政権が発足(12年12月)した以降に急上昇している。13年は23.6%、14年24.0%、15年25.0%、16年25.8%……。17年は25.7%と前年を下回ったが、現状は再び上昇傾向だ。
「海外のエンゲル係数は、米国15%、ドイツ18%、英国20%といったところです。日本は本当に先進国なのかと疑いたくなるような数値です」(市場関係者)
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