*マドゥーロ
混迷化しているベネズエラ情勢ですが、このベネズエラ問題をイラクと同じように考えて、「アメリカの陰謀だ!」「本当はマドゥーロ大統領が良い人だ!」というような情報をネット上で広げている人たちが居ますが、ベネズエラのマドゥーロ大統領は正真正銘の最低最悪の独裁政権です。
現在のベネズエラでは紙幣の価値が大暴落しており、パン一個を買うために数千枚の紙幣が必要な状況になっています。日本で言うのならば、パン一個の価値が1000万円とかになっているような感じです。昨年の時点でベネズエラのインフレ率は100万%超に跳ね上がり、食糧不足などから約300万人が「難民」として周辺諸国に脱出しました。
このハイパーインフレを悪化させてベネズエラ経済を崩壊させた張本人こそが、今の大統領であるマドゥーロ(本名 ニコラス・マドゥロ・モロス)氏だと言えるでしょう。
マドゥーロ大統領の経済政策は滅茶苦茶だと言え、原油に依存した経済構造を変えず、逆に国有化を推進して国の財産を身内で独占。日本で言うところの天下り団体などに友人や親族をバラ撒き、自分に反対する政党や国民は厳しく弾圧しました。
選挙の投票時にマドゥーロ大統領の部下達が投票所付近を監視して、ちゃんとマドゥーロ大統領で投票したかどうかを確認しているのです。マドゥーロ大統領の当選が不正選挙だと言われている背景には、このような明確な理由があります。
一方で、厳しい弾圧や規制に国民の反発も強まりますが、それに合わせて国国民監視用ICカード「祖国カード」などを導入してマドゥーロ大統領も監視社会化を強く推進しました。経済政策は美味しい企業や組織を独占するだけで手を打たず、中国やロシアからの融資も限界が来てしまったベネズエラは遂にハイパーインフレに突入し、今のような情勢になっています。
もちろん、アメリカの介入検討はアメリカの都合もあるのですが、大前提としてマドゥーロ大統領の滅茶苦茶な経済政策や弾圧によって、ベネズエラ国民の大多数が激怒しているという背景があるのです。マドゥーロ大統領や彼の政策によって恩恵を受けている一部の特権階級と、それ以外の貧しい国民の衝突がベネズエラの分裂に繋がりました。
結果的にアメリカが介入するかもしれませんが、マドゥーロ大統領らが自らの行いで招いた結果であり、アメリカ陰謀論というような類の話とはちょっと違う問題なのです。
しかし、投票所の外では与党の職員らがテントを張り、一人一人誰が実際に投票したのかをチェックしていた。ここでマドゥロ氏に投票していない国民は食糧配給を受けられなくなる。「公正な選挙」では決して見られない光景だ。 pic.twitter.com/yGLD66wFZ8
— 外山尚之(日本経済新聞) (@NaoyukiToyama) 2019年2月3日
また、マドゥロ政権が有力な野党指導者を選挙から排除していたことも選挙の正当性を語る上で外せない。主要野党がボイコットする中、対抗馬として出馬したのは当時無名だった元州知事。こうした内容から、米国だけでなく日本を含む多くの国が選挙結果を認めていない。 pic.twitter.com/UsFIDylmAI
— 外山尚之(日本経済新聞) (@NaoyukiToyama) 2019年2月3日
また、ベネズエラ国民のほとんどが野党支持という見方も公平性を欠く気がする。少なくとも昨年5月の時点では政府支持者もそれなりにおり、口々にマドゥロ政権を礼賛していた。彼らは食糧配給などを優先的に受け取れる特権階級で、「野党支持者が飢えるのは自業自得」といった発言が目立った。 pic.twitter.com/JFt2tDWHwZ
— 外山尚之(日本経済新聞) (@NaoyukiToyama) 2019年2月3日
ただ、多数の国民は食糧配給すら受け取れず、まともに食事を取れていない。炎天下の中、スーパーの前には数時間待ちの列があり、苦労して中に入ってもこの有様。数ヶ月も子供にミルクを買えていない、という母親の沈痛な叫びは政権支持者が語るベネズエラとは別世界のようだった。 pic.twitter.com/Z4KG2b0UNg
— 外山尚之(日本経済新聞) (@NaoyukiToyama) 2019年2月3日
街角ではゴミを漁り、飢えをしのぐ人々も。米国の経済制裁の影響もあるが、こうなった最大の原因は支持層のみ優遇し、国民の生活を顧みないマドゥロ政権の失政であることは間違いない。 pic.twitter.com/1jcrerMRDN
— 外山尚之(日本経済新聞) (@NaoyukiToyama) 2019年2月3日
情勢が大混乱のベネズエラには、マドゥロ氏とグアイド氏という2人の大統領がいます。でもそもそも、2人はどんな人?その生い立ちは?ベネズエラ情勢に深く精通しているアジア経済研究所の坂口安紀さんに、再びお話をお聞きしました。#今さら聞けない世界 の第8回目です。 https://t.co/P0Q90sWCmp
— 軽部理人 (@rihito_karube) 2019年2月6日
ベネズエラ軍の上層部がなかなか離反しない理由。ベネズエラ軍内に汚職が蔓延しているが、そもそも汚職に関わらず「クリーン」だと出世できない。マドゥロは汚職という弱みを握らなければ、上層部をコントロールできないと知っているから。
ちなみに、この軍人管理の方法はチャベスもやってた。— Kanako Noda (@nodako) 2019年2月2日
マドゥロ政府は散々、米国の資本家などを非難してるけど、それはあくまで表向きのパフォーマンスであって、実際は米大手企業なしではやってけない。ウォール街にだって沢山借金あって依存してるし、甥っ子が麻薬密輸で捕まって、その裁判のために超高い米の弁護士雇って頼ってる。
— Kanako Noda (@nodako) 2019年2月6日
今マドゥロを支持している人は4%と言われていますが、これでベネズエラは分断されてるとか、マドゥロ派の言い分を五分五分みたいに捉えている人はアホでしょ。圧倒的多数が反対で、ごく少数しかマドゥロの言うことに正当性を見出してないの。
— Kanako Noda (@nodako) 2019年2月3日
ベネズエラの今の事態については、一部の左翼は猛省すべき。チャベス政権のとき、ある社会学者は反政府運動の「表現の自由に警戒すべき」と論じてました。しかし表現の自由を抑圧した結果がまさにマドゥロ政権なわけです。かつてソビエトを礼賛した愚を繰り返してるんですよね。
— こたつぬこ (@sangituyama) 2019年2月6日
さっきの、頭おかしいチャベス主義者の人も、ベネズエラの国民が苦しんでるのは確かみたいなこと言ってたけど、おかしいじゃないですか。マドゥロ政府によれば、ベネズエラに人道危機は存在しないんですよ。だから人道的支援も必要ない。彼女は一体どこの何を根拠に発言しているのか。ただの想像でしょ
— Kanako Noda (@nodako) 2019年2月5日
ベネズエラに関して、欧米メディアに疑問を呈している人、どっちもどっちみたいな中立を装う人、色々いますが、どの人の発言を見ても話になりません。欧米メディアを見て、それに対する感想を述べるだけで、当のマドゥロ政府のこれまでの発言とかまったく無視してるから。
— Kanako Noda (@nodako) 2019年2月5日
国内では報道が少なくて関心が薄いが、日本人も想像力を働かせて、マドゥロ大統領の〝悪政〟によって、ベネズエラの子供たちがどんな目に遭っているか考えてみる必要がある。日本人は「我々は海外からどう見られているか」は大いに気にするが、「我々は海外をどう見るか」が疎かになってはしないか。
— 菊池雅志 (@MasashiKikuchi) 2019年2月5日
今では独裁者として欧米から非難されるマドゥロ大統領だが、元々国民からの人気はあまりなく、カリスマ的な人気を誇るチャベス前大統領の威光をかさにきることで求心力を保っていた面がある。そのチャベス氏を支えてきた面々が次々と離反しており、窮地に立たされている。(2018年5月、カラカス) pic.twitter.com/yukIFf2yz5
— 外山尚之(日本経済新聞) (@NaoyukiToyama) 2019年2月5日
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