10月9日からトルコがクルド人勢力を排除するためにシリア北部への侵攻作戦を行っていましたが、アメリカやロシアの仲介を通して双方が停戦に合意しました。
シリア北部に展開していたクルド人勢力は対トルコの広大な国境の複数の拠点から撤収を開始し、クルド人が自治実現を求めていた地域はシリア・トルコ・ロシアの影響下に入った形です。
今回の停戦合意ではクルド人勢力がシリア北部の領域で自治独立を求めず、さらには拠点も国境の東部のおよそ120キロの範囲で撤収するように定めています。
一番の目的はクルド人の自治獲得や独立を阻止することであり、シリア・トルコ・ロシアの3カ国で思惑が一致したことで実現した停戦合意だと言えるでしょう。
一方で、対イスラム国の戦いではアメリカと共闘し、イスラム国の兵士を数千人規模で捕獲した実績があるだけに、クルド人からは「裏切り行為だ」「ハメられた」などと怒りの声が殺到しています。
特にトルコのシリア侵攻作戦を黙認した上で、事前にアメリカ軍を撤収させたアメリカのトランプ大統領への反発や怒りは根強く、クルド人の多い地区では抗議活動も頻発しているところです。
今回のアメリカの対応は各国の有識者にも衝撃を与えており、アメリカとの相互防衛が本当に機能するのかと疑問を投げかける声が相次いでいます。
トルコのシリア北部でのクルド人勢力に対する軍事作戦をめぐって、国境地帯からのクルド人勢力の排除でトルコと合意したロシアの部隊が展開を始めました。これに対しクルド人勢力は、アメリカのトランプ大統領から支援の約束を取り付けたと強調して、トルコやロシアの動きをけん制しました。
対トルコ制裁解除=「恒久的停戦」に移行で
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191024-00000005-jij-n_ame
【ワシントン時事】トランプ米大統領は23日、ホワイトハウスで国民向けに演説し、トルコがシリアのクルド人勢力に対する軍事作戦を停止し、「恒久的な停戦」を受け入れたとして、トルコに対する制裁を解除すると表明した。
米軍シリア撤退で具体化したトランプの公約「アメリカ・ファースト」
https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2019/10/post-1123.php
トランプ大統領による「米軍のシリアからの撤退」宣言は、米軍が同盟を組んでいたクルド人勢力を見捨てることを意味しました。トランプの宣言を受けると、シリアとトルコの国境地帯からクルド人勢力の駆逐を狙うトルコのエルドアン大統領は、ただちに越境軍事作戦を仕掛けました。
あわてて、アメリカはペンス副大統領と、ポンペオ国務長官をトルコに急派し、エルドアン大統領には自制を求めました。エルドアン大統領は、一応話を聞いたのですが、トランプ大統領の書簡については非礼なので廃棄したとするなど、依然強硬でした。
~省略~
今回の決定は、そのクルド人勢力をアメリカが見捨てた形になります。また、シリアだけでなく中東全体におけるアメリカの影響力は一気に低下した形です。クルド人勢力を見捨てたことで、アメリカへの信頼感が消滅したという批判もあります。
それにも関わらず、トランプ大統領は「これはアメリカの勝利」だとしているのです。この言葉は、単なる強がりではありません。トランプ大統領は本当に「これで良かった」と思っているようです。というのは、この「シリア撤兵、クルド見殺し」という行動はトランプ流の「アメリカ・ファースト」という考え方そのものが具体化しているからです。
「『ああ、すばらしい成果だ おめでとうございます』とみんなが言っている」―トランプ米大統領は、トルコがシリアに対する「恒久的な」軍事作戦に応じたとして、自らの外交成果を強調するとともに、トルコに対する制裁を解除すると発表した。 pic.twitter.com/Caf46ECvgA
— ロイター.co.jp (@Reuters_co_jp) 2019年10月24日
こんにちは戦場カメラマンの渡部陽一です。トルコ・クルド情勢。トルコ軍によるシリア領内クルド人武装組織人民防衛隊(YPG)、さらにYPGを含む武装組織の連合隊であるシリア民主軍(SDF)掃討作戦。クルド側は北部国境ラスアルアインから完全撤退。トルコは国境から30km地帯を管轄下に置く方針。
— 渡部陽一 (@yoichiomar) 2019年10月22日
即位の礼への出席を取りやめたトルコのエルドアン大統領は、22日、ソチでプーチン大統領と会談。クルド人の国境地帯からの排除、トルコ軍とロシア軍MPが共同でパトロールすることで合意。トルコ軍は軍事作戦を停止。米軍撤退は大きな失敗である。米軍のトップや軍事専門家たちは切歯扼腕している。 https://t.co/pj9Nxn8Zj3
— 舛添要一 (@MasuzoeYoichi) 2019年10月23日
ロシア、米軍のシリア撤退で中東での存在感一気に高まっている
ロシア軍をシリアに派遣、14日米軍がいた基地を支配下に置いた
22日、エンドアン・トルコ大統領をロシア南部ソチに招き、トルコがシリア北部で展開している軍事作戦について協議、両大統領はクルド人勢力撤退させ[安全地帯]設ける事で合意 https://t.co/Qt10cJ8Au4— Chiyohime (@SherryChiyohime) 2019年10月25日
トルコとロシアの取り決めの10条?
早い話 シリアトルコ国境地帯30キロからクルド人をおいだぜ
シリアとトルコの国境地帯10km前後はトルコとロシアが共同でパトロールをする
シリアの統一政治による領土の保証などがかいつまんだ内容でしょうか
詳しい内容は各個人で翻訳してください pic.twitter.com/l0Sh6cnADN— ばばん (@babanred) 2019年10月23日
#米国防長官
「#シリア 北部に、#米兵士 200人を残す」
「シリアのクルド人武装勢力・シリア民主軍の掌握下にある油田周辺に、米兵200人を残す理由は、この油田がISISなどのテロ組織の手に落ちないことを確信することにある」
「ただし、米軍のシリア撤退プロセスは今後も続行される」 pic.twitter.com/2nC7e2Tgz2— ParsToday日本語 (@ParstodayJ) 2019年10月21日
撤収米軍にクルド人抗議 「うそつき」とイモ投げるhttps://t.co/gCwm5voJXW
「米国はうそつき」。シリア北部から撤収する米軍車列にクルド人住民らがジャガイモを投げるなどして抗議する映像をクルド系メディアが報道。「トランプは私たちを裏切った」と書いた紙を掲げる住民らの動画もネットに…
— 産経ニュース (@Sankei_news) 2019年10月22日
シリアから撤退する米軍に抗議のジャガイモを投げつけるクルド人たち。トランプに裏切られたクルド人の気持ちはよく分かる。再選のために何でもやるトランプは、中東をますます混乱させている。 https://t.co/V7jpbI5K1l
— 舛添要一 (@MasuzoeYoichi) 2019年10月21日
Residents of Kurdish-dominated Syrian city hurl potatoes at U.S. forces withdrawing from Syria. https://t.co/9mHVz66EkQ pic.twitter.com/j5S12t9L7C
— ABC News (@ABC) 2019年10月21日
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