新型コロナウイルスの完全拡大に合わせて、一部のネット上では「軽症の患者はウイルス検査をしなくて良い」「検査やり過ぎると医療崩壊する」というような情報が流れていますが、その多くはデマや誇張です。
誰がどのような目的で流しているのかは分かりませんが、まず第一に新型コロナウイルスは軽症と重症のラインを判別するのが難しいと言われています。無症状だった方が数日で一気に重症の肺炎となったケースは複数あり、軽症だからと言って検査すらせずに放置すれば、周囲を巻き込んで結果的に患者を増大させてしまう可能性が高いです。
また、検査のやり過ぎで医療崩壊というのもほぼ誇張で、医療機関は対応できる限界値があり、酷いときは病院側で制限を設けることも出来ます。更に言えば、国や行政で基準を定めることも出来るわけで、自宅療養とセットで現場の判断を組み合わせながら運用すれば、こちらも対応は可能です。
逆に今から検査をちゃんとやっておかなければ、後で重症患者が山のように発生して、それがまとまって病院に来て収集がつかなくなる恐れがあります。中国だと、「バタバタ人が倒れている」というような話もありますが、日本にとっても他人事ではありません。
しかも、日本は新型コロナウイルスのデータが不足しているわけで、検査人数を増やすことで新型コロナウイルスのデータ収集もすることが出来ます。検査数が少ないと、再感染率や軽症から重症への変化、感染が広がりやすい地域などを調べるための情報も揃わなくなる恐れがあるのです。
どうにも、日本政府や行政の検査数が少ないことを誤魔化すために、関係者が世論誘導を目的として、このような情報を流したように感じられます。
世界的に日本のウイルス検査数が少ないことは紛れもない事実で、政府はもっとウイルス検査を増やすべきです。
新型コロナ感染、検査体制に懸念の声-能力不足で実態つかめず
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-02-28/Q6AJ8QT0AFBA01
新型コロナウイルス感染が世界的に拡大する中、日本が公表した感染者数は氷山の一角にすぎないのではないかとの懸念が強まっている。
国内で確認された患者数は28日時点で約200人で、これには横浜港に停泊していたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の感染者は含まれていない。しかし、韓国では感染者数が急速に増加し、2000人を超えた。同国政府が数万人規模の検査を実施しているからだ。
こうした違いから、専門家や世論からは日本の検査体制に対する懸念の声が上がっている。
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