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自粛ムードに緩み、クラスター対策の西浦博教授が危惧!「解禁ムードで制御が不可能に」「2月よりも深刻な状況」

*政府
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議でクラスター感染の分析を担当している西浦博教授が解禁ムードに強い警鐘を鳴らしました。

政府が全国一律休校の解除を発表したことで自粛ムードに緩みが出ているとして、西浦教授は「行動がいつも通りに戻ってしまうと、アメリカや欧州各国で見られるような爆発的な感染者数の増大が懸念されるためです。特に大規模イベントを流行地域で再開してひとたび大規模流行が発生すると、流行が制御不能になります」と述べ、解禁ムードから新型コロナウイルスの感染が爆発的に広がる恐れがあると指摘。

このまま解禁ムードで自粛の流れが後退してしまうと、都市閉鎖を含めた厳しい対応をする必要があるとして、「皆さまの近しい方々も感染や命の危険にさらされてしまうのです。加えて、COVID-19は感染から発症まで平均5日程度、発症から診断されるまで平均7日程度とされており、無症候性の感染者も少なくないことから、感染者数の急激な増大にリアルタイムで気づくことができないのがこの感染症の難しさです」とも言及していました。

そして、今の状況は世界的な大流行から2月よりも極めて危険だとして、「1月から2月上旬は短距離ミサイルが5~10発命中した程度ですが、この3月のパンデミックの状況というのは空から次々と焼夷弾が降ってきているような状態です」などと発言し、新型コロナウイルスへの警戒を強化するように促しています。

新型コロナウイルスの基本対策は3条件(密閉空間、密集場所、密接場面)が揃う場所での接触回避で、引き続きこのような場所に行く行為を避けるように求めていました。

 

「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020 年 3 月 19 日)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000610566.pdf

西浦北大教授「解禁ムード広がることを大変危惧」「今こそイベント自粛とハイリスク空間回避が必要」
https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/743174/

今は2月よりも厳しく、今からこそイベント自粛とハイリスク空間を避ける声を保健医療の皆さんから届けていただけるよう、助けてください。
新型コロナウイルス感染症の流行対策のメインストリームは「屋内の接触を断つこと」です。これまで、安倍首相から大規模イベントの自粛が要請され(『安倍首相「今後2週間、イベント中止・延期を」』を参照)、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議からは3条件(密閉空間、密集場所、密接場面)が揃う場所での屋内接触を自粛するように求めてきました。

大規模イベントの中止は当初、科学的エビデンスや専門家会議の提言に基づくものではありませんでしたが、海外での宗教法人での伝播が知られており、また、日本では「さっぽろ雪まつり」での2次感染が疑われています。ある時、突然に2次感染者数が一気に増えたメガクラスターの形成、ひいては大規模流行の原因となることが危惧されます。フィットネスジム、ライブハウス、大人数での接待飲食など、屋内で3条件を満たすような場所での2次感染は実例として知見が蓄積されています。中国の都市封鎖と外出禁止令が湖北省を中心に著効したことが知られています。

また、私も分析に協力させていただいている(座長指定の者である)3月19日の厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策専門家会議で方針を示しましたが、日本における国内感染は上記の大規模イベント自粛と行動自粛の実施中に、新規感染者の発生が減少に転じたことが知られています。この感染症は行動変容を伴う努力をもってすれば「制御できる」のです(『「北海道モデル成功」、「全国的に流行減少の兆し」だが予断を許さず』を参照)。

しかし、3月19日に少しでも良いニュースが伝わり、小中学校などの休校が解除される方針が伝わったことで、市民の間で「解禁ムード」が広がってしまっていることを大変危惧しています。行動がいつも通りに戻ってしまうと、アメリカや欧州各国で見られるような爆発的な感染者数の増大が懸念されるためです。特に大規模イベントを流行地域で再開してひとたび大規模流行が発生すると、流行が制御不能になります。大きな流行が起こると、都市の封鎖を伴うことに加えて、皆さまの近しい方々も感染や命の危険にさらされてしまうのです。加えて、COVID-19は感染から発症まで平均5日程度、発症から診断されるまで平均7日程度とされており、無症候性の感染者も少なくないことから、感染者数の急激な増大にリアルタイムで気づくことができないのがこの感染症の難しさです。

今、海外で流行が増大しているため、状況は1月以降、これまでの2カ月半よりも厳しい状態にあります。ヨーロッパ、米国、東南アジア、中東などから、続々と感染者が訪れています。上記のように国内伝播をいったん制御に近くできたために、最近報告される感染者数の結構な割合を輸入感染者が占めるようになってきました。外国籍の方の入国は一部止まりつつありますが、米国は続いていますし、邦人の帰国には備えなければなりません。報告された輸入感染者は氷山の一角であり、今後、診断されていない輸入感染者が続々と次の流行を生み出すものと思われます。

それは1月から2月上旬に中国および中国帰りの渡航者を端緒として始まった流行の比ではありません。非常識を承知で分かりやすいようにミサイルで例えると、1月から2月上旬は短距離ミサイルが5~10発命中した程度ですが、この3月のパンデミックの状況というのは空から次々と焼夷弾が降ってきているような状態です。そこで「火事を一つ一つ止めないといけない」というようなのが今の状態です。

 

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