先月4月に和歌山県で小規模な地震が多発していましたが、この地震について気象庁は「伊勢湾から三重県のプレート境界付近を震源とする深部低周波地震(微動)を観測した」と発表しました。
複数の地点でも小規模なゆっくりとした地震が多発したことから、プレートや断層が広い範囲でズリズリと滑り落ちるスロースリップ現象が起きたと見られています。
具体的な日時は4月13日から4月20日の間で、場所は愛知県及び三重県の複数のひずみ観測点。いずれもわずかな地殻変動を観測し、その周辺の傾斜データでも地殻変動を捉えていると報告されています。
更には御前崎や潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続中で、南海トラフのエリアでプレートが動いていることを示していると言えるでしょう。
東日本大震災前にも同じようなスロースリップ現象が発生しており、気象庁は引き続き警戒監視を強化するとしています。
↓気象庁の調査結果
地震情報
https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/list/?sort=1&key=1&b=101
高感度地震観測網
http://www.hinet.bosai.go.jp/hypomap/?ft=1&LANG=ja
南海トラフ地震に関連する情報(定例)について -最近の南海トラフ周辺の地殻活動-
http://www.jma.go.jp/jma/press/1805/09b/nt20180509.html
最近の南海トラフ周辺の地殻活動
現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。
1.地震の観測状況
主な深部低周波地震(微動)として、4月13 日から4月21 日にかけて、伊勢湾から 三重県のプレート境界付近を震源とする深部低周波地震(微動)を観測しました。2.地殻変動の観測状況
4月13 日頃から4月20 日頃にかけて愛知県及び三重県の複数のひずみ観測点でわず かな地殻変動を観測しました。また、同地域及びその周辺の傾斜データでも、わずかな 地殻変動を観測しました。
一方、GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期 的な沈降傾向が継続しています。3.地殻活動の評価
上記の深部低周波地震(微動)と、ひずみ及び傾斜データで観測した地殻変動は、想 定震源域のプレート境界深部において発生した「短期的ゆっくりすべり」に起因すると 推定しています。
上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界 の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ 沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特 段の変化は観測されていないと考えられます。
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