9月10日にイギリス議会が賛成多数でEU離脱延期法を可決させました。
ボリス・ジョンソン首相は延期法案に反対して、10月中にEU離脱を実施するとしていましたが、与党から造反議員が多発したことでジョンソン首相の目論見は崩壊。ジョンソン首相が提示した解散総選挙に必要な動議も一緒に否決され、ジョンソン首相は非常に厳しい劣勢になったと言えるでしょう。
一連の採決が終わったことでイギリス議会は閉会となり、ジョンソン首相が半ば強引に決めた10月14日の開会式まで異例の長期休会となる見通しです。
ただ、イギリス政府のサジード・ジャビド財務相が「法には従うが、政府の方針は変えない」と発言し、ドミニク・ラーブ外相も「(離脱延期法が)何を要求し、何を要求していないのか精査する」などとEU延期を否定するようなコメントを繰り返しています。
依然としてジョンソン首相はEU強行離脱を計画している状態で、野党は政府が奇策で強引にEU離脱を強行するのではないかと警戒を強めているところです。
EU離脱延期法が成立、英議会は解散を否決し5週間の閉会へ
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/09/3151be577004142d.html
離脱延期法の成立により、10月31日に合意なき離脱(ノー・ディール)となる懸念は、ひとまず後退した。しかしボリス・ジョンソン首相は、法案が下院で可決された後も予定どおり離脱する意向を強調し、EUへの離脱延期要請を否定。前週末にはドミニク・ラーブ外相が報道番組で「(離脱延期法が)何を要求し、何を要求していないのか精査する」と述べ、サジード・ジャビド財務相も別の番組で「法には従うが、政府の方針は変えない」と発言するなど、政府が離脱延期法を無視するのではないか、との観測もくすぶっている。最大野党・労働党のジェレミー・コービン党首は9月9日の議会で、政府が同法に従うことを求める緊急動議を提出。賛成多数の無投票で可決されたが、野党議員らは政府の奇策をなお警戒している。
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