中東でトルコとシリアが全面戦争寸前の緊張状態となっています。
衝突の原因はシリア北部に進駐しているトルコ軍部隊です。このトルコ軍部隊は治安維持やテロリスト鎮圧を名目にして、反体制派の最終拠点であるシリア北部のイドリブ県に進駐。
これに対して反体制派を攻撃しているシリア政府軍はイドリブ県への総攻撃を開始し、その時にトルコの駐留部隊にも砲撃を行いました。
一連のシリア政府軍の攻撃でトルコ軍の兵士ら8人が死亡しており、これに激怒したトルコも報復攻撃を行って、アサド政権側の兵士ら合わせて76人を死傷させたとしています。
シリアとトルコの衝突だけでも80人以上が死傷している衝突で、2月5日にトルコのエルドアン大統領は「今月中にアサド政権の軍が退却しなければトルコ軍が独自に押し返すとプーチン大統領に伝えた」と宣言しました。
シリアのアサド政権と同盟関係にあるロシアがトルコに攻撃を止めるように呼び掛けていますが、トルコ側は強く反発して無視している状態となっています。ただ、シリアも主権侵害だとしてトルコに激怒している状態で、両国が全面戦争になる可能性も浮上しているところです。
内戦が続くシリアで、アサド政権の軍と反政府勢力を支援するトルコの軍が衝突し死傷者が出る中、トルコのエルドアン大統領は、今月中にアサド政権の軍が退却しなければ、トルコ軍が排除に乗り出す構えを見せ、緊張がさらに高まりそうです。
数週間にわたる激しい空爆と地上戦により、同国北西部イドリブ(Idlib)県ではすべての町から人の姿が消え、多数の住民らが北のトルコ国境に向かって避難している。
国連人道問題調整事務所(OCHA)のデービッド・スワンソン(David Swanson)報道官は「昨年12月1日以降、約52万人が家を追われた。その80%は女性と子どもだ」と言う。
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