昭和11年2月26日に陸軍の青年将校らが東京都心で政府要人らを殺害した近代日本最大の軍事クーデター「2・26事件」について、詳細な情報を記録していた海軍の最高機密文書が発見されました。
NHKの記事によると、この機密文書には事件の発生から収束までの4日間を分単位で記録されており、海軍側の視点で将校の動きや天皇陛下の発言内容などが記載されていたとのことです。
記録の中には昭和天皇から直々で海軍の鎮圧部隊に、「指揮官は部下を十分握りえる人物を選任せよ」というような要望を出していたとの記述も見られました。
また、海軍もクーデター計画の存在を1週間ほど前から把握するも、何処かで情報が握り潰されたことが発覚。
クーデターの前後に海軍が陸軍を監視し、クーデターの最終日である2月29日午前8時5分の記録には海軍の陸上部隊が防毒マスクまで装着した上で、「直ちに出撃し、一挙に敵を撃滅す」と決心していたことも記載されていました。
東京が戦場になる目前まで緊張状態が高まっていたことを示す資料で、歴史的にとても価値があると言えるでしょう。
*2・26事件とは皇道派の影響を受けた陸軍青年将校らが1,483名の下士官兵を率いて起こした日本のクーデター未遂事件。この事件の結果岡田内閣が総辞職し、後継の廣田内閣が思想犯保護観察法を成立させました。後に太平洋戦争まで繋がる日本国内の統制強化を実施する口実ともなり、2・26事件の前後で日本は大きく変わります。
二・二六事件
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E
陸軍内の派閥の一つである皇道派の影響を受けた一部青年将校ら(陸軍幼年学校、旧制中学校から陸軍士官学校に進み任官した、20歳代の隊附の現役大尉、中尉、 少尉達)は、かねてから「昭和維新、尊皇斬奸」をスローガンに、武力を以て元老重臣を殺害すれば、天皇親政が実現し、彼らが政治腐敗と考える政財界の様々な現象や、農村の困窮が終息すると考えていた。彼らはこの考えのもと、1936年(昭和11年)2月26日未明に決起する。
決起将校らは歩兵第1連隊、歩兵第3連隊、近衛歩兵第3連隊、野戦重砲兵第7連隊等の部隊中の一部を指揮して、岡田啓介内閣総理大臣、鈴木貫太郎侍従長、斎藤實内大臣、高橋是清大蔵大臣、渡辺錠太郎陸軍教育総監、牧野伸顕前内大臣を襲撃、総理大臣官邸、警視庁、内務大臣官邸、陸軍省、参謀本部、陸軍大臣官邸、東京朝日新聞を占拠した。
そのうえで、彼らは陸軍首脳部を経由して昭和天皇に昭和維新を訴えたが、天皇はこれを拒否。天皇の意を汲んだ陸軍と政府は彼らを「叛乱軍」として武力鎮圧を決意し、包囲して投降を呼びかけた。叛乱将校たちは下士官兵を原隊に復帰させ、一部は自決したが、大半の将校は投降して法廷闘争を図った。しかし、事件の首謀者達は銃殺刑に処された。
事件後しばらくは「不祥事件(ふしょうじけん)」「帝都不祥事件(ていとふしょうじけん)」[3]とも呼ばれていた。
算用数字で226事件、2・26事件[4]とも書かれる。
戦前、陸軍の青年将校らがクーデターを企て、政府要人を殺害した「二・二六事件」について、事件の発生から収束までの4日間を分単位で記録した極秘文書が残されていたことがNHKの取材でわかりました。
当時、海軍が記録したもので、青年将校と軍幹部の動きややり取りなどが細かく記されており、専門家は近代日本を揺るがした事件の新たな側面を浮かび上がらせる第一級の資料だと指摘しています。
戦前、陸軍の青年将校らがクーデターを企てた「二・二六事件」について、事件の推移を分単位で記録した海軍の極秘文書が見つかりました。断固鎮圧を貫いたとされている昭和天皇が、海軍まで企てに同調することはないか、事件の拡大を懸念する発言をしていたことが記録されていて、専門家は当時の天皇と軍の関係を知るうえで極めて貴重だと指摘しています。
海軍が記録していた二・二六事件の最高機密文書。天皇の意向に逆らい暴走した軍部がこれを契機に勢力を拡大し、日本を壊滅へと導いた太平洋戦争へと突入するさまが克明に記録されている。公文書がいかに大切かということと、向き合うべき事実から目を背け、戦争へと歩んでいった日本の姿に慄然とした。 pic.twitter.com/LZiSVLAeH5
— 岩槻優佑 (@yuu_iwatsuki) 2019年8月16日
今日の #NHKスペシャル 「全貌二・二六事件」も圧巻だった。先日の「かくて自由は死せり」がそうだったように、今年のNHKの8月は、どのようにして日本が戦争に向かっていったのかを丹念に辿っている。製作サイドが今の日本に発信したいメッセージは明らかだと思う。NHKは死んでない。 pic.twitter.com/HDtICaZUIX
— 森修一 (@ChemPack) 2019年8月15日
#Nスペ “全貌 二・二六事件”
以下、ナレーション。
「極秘文書に残されていたのは、不都合な事実を隠し、自らを守ろうとした組織の姿でした」「事実とは何か。私たちは事実を知らないまま、再び誤った道へと歩んではいまいか」
現在の国会議事堂を映しつつ、このナレーションの演出はよかった👍
— 但馬問屋 (@wanpakuten) 2019年8月15日
NHKの二・二六ドキュメンタリー、どうせまたアレだろうと思っていたら、ほんとに新史料・新発見だったので吃驚した。今まで、証言とかの二次史料のみが典拠だった話が確認されたり、知られていたことでも、さらに詳細に再構成できるようになったという印象。
— 赤城毅/大木毅 (@akagitsuyoshi) 2019年8月15日
(承前)しかし、まさか部隊を動かして、武装蜂起するとは予想できなかったので、海軍もとくに手を打たなかった、というより、打てないでしょう。海軍は憲兵隊持ってないし。海軍が二・二六に何が起こるか知っていて黙殺したという議論は飛躍だと思いますね。(続)
— 赤城毅/大木毅 (@akagitsuyoshi) 2019年8月15日
なぜ二・二六事件に至ったか、その流れを詳しく解説したものなら、この本が良いかなあ
ポッと二・二六事件が発生したわけじゃないのよ、それ以前にいくつもの燻りがあったわけで #二・二六事件の本棚 pic.twitter.com/koLlCVPW3Q— ナツキ シノブ/BOOTH通販開始 (@ntksnb) 2019年8月15日
#NHKスペシャル「全貌 二・二六事件~最高機密文書で迫る~」が良かった。毎度、新史料発見!と嘯く狼少年NHKが本当に新史料を出してきたので面食らう。この史料から海軍は226事件が起こる前に決起の概要を詳細に掴んでいたことが判明する。ではどうして止められなかったのか?と視聴中、思う。 続) pic.twitter.com/SHEGPcqsh3
— キジバト(鳩通信班) (@kijibato_hato) 2019年8月15日
二・二六事件、海軍は事件一週間前にはクーデター計画を首謀者も含めて情報を得ていたが、どこかの段階で握り潰した。以上が最新の極秘資料による新事実。「自分たちに不都合な事実を組織が隠す」という最後のナレは二・二六事件の全貌に対するものではなく現政治への警鐘と思えた。#NHKスペシャル
— イヌ (@wabisabi444) 2019年8月15日
結果論でしかないが、この雑な裁判が、『国を憂いて行動した青年将校たちの無念の死』という印象を持たせてしまい、軍に対する印象を大きく変え二・二六事件を「昭和の忠臣蔵」にしてしまった要因の一つかもしれないよね… pic.twitter.com/5DGSoFK7Hw
— こんでん (@hiroju55) 2019年8月15日
二・二六事件見ているけど、それにしても改めてどの国でも陸軍と海軍が仲悪いとかよく聞くけど、戦前の日本の陸海軍は違う国どころか、敵国同士の軍隊か…というぐらいイデオロギーが違うんだよね…
— こんでん (@hiroju55) 2019年8月15日
必見
全貌二・二六事件今日15日に海軍が記録していた極秘資料を元に考えるNHKスペシャル
事件の一週間も前に襲われる重臣と襲撃する青年将校の名前まで把握していたのに、なぜ防げなかったのか。
政治家も国民も暴力の前に抵抗する気力を失った先にあったのは戦争への道 pic.twitter.com/GiFUr3Qxym— Showamamma (@Showamamma) 2019年8月15日
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