現在、国会で審議中の働き方改革関連法案を皆さんはご存知でしょうか?
この法案には重大な危険性があるのに、そのまま近い内に強行採決が行われようとしています。
日本で働いている全ての労働者、バイトから派遣社員、正社員の全員が影響を受けるような大きな法案です。
それでは順を追って説明しましょう。
まず、働き方改革とは労働力不足を解消し、一億総活躍社会を作るために安倍政権が掲げた労働制度改革のことです。
*首相官邸のwebサイトから引用
働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます。
安倍政権は働き方改革をこのように宣伝しており、働き方改革関連法案が成立することで一億総活躍社会の実現が近づくとしています。
施政方針演説でも安倍首相は「戦後の労働基準法制定以来、70年ぶりの大改革」と発言しているほどです。
安倍政権の話だけを聞くと、中間層が増えて、皆が幸福に働ける社会が来るように感じるかもしれません。
しかしながら、その実態は真逆で、働いても働いても稼げない社会が到来する可能性が高いです。
働き方改革関連法案の問題点 その1
高度プロフェッショナル制度の存在です。高度プロフェッショナル制度とは、前に「残業代ゼロ法案」や「ホワイトカラー・エグゼンプション」とも呼ばれていた新制度のこと。
今回の法案を提出するキッカケにもなっている制度で、政府は残業代を無くすことで自由な働き方が出来るとしています。
もちろん、そんなバラ色の自由な未来になるわけがありません。働き方改革関連法案では「年収1075万円以上」と条件付きになっていますが、既に今の時点で「年収要件を700万円まで下げるべき」というような意見が日本維新の会から出ています。
過去の法案の例を見ると分かるように、一度でも成立してしまうと、後から条件の緩和はかなり簡単に出来てしまいます。
高度プロフェッショナル制度の年収制限が下がってくるということは、あなたの残業代も消えるかもしれないということです。
働き方改革関連法案の問題点 その2
裁量労働制。この裁量労働制を巡っては厚生労働省の不正データ問題もあり、報道で知っている方も多いと思います。裁量労働制とは雇用契約の一つの形で、労働時間ではなく、成果で評価するシステムだと思って頂ければオーケーです。
分かりやすく言えば、バイトが時給からノルマ制になった感じ。時給1000円で働くのと、テッシュ1000個配ると1000円では全く違う感じがすると思います。
裁量労働制と同時に「脱時間給制度」も働き方改革に含まれていますが、こちら方はあまり注目されていないところです。
裁量労働制については、不正データ問題から実施時期を2019年4月から1年延期して、2020年4月とする方向で政府が調整中です。
働き方改革関連法案の問題点その3
8本の法案を同時に可決する点。そもそも、働き方改革関連法案とは、8本の労働法改正案をまとめた法案となっています。8本の法案を一つにまとめることで、手続きや審議が簡略化され、細かい部分まで議論がシッカリと出来ずに可決・成立となってしまう可能性が高いです。
実際、高度プロフェッショナル制度だけでも大きな問題なのに、そこに裁量労働制や脱時間給制度、同一労働同一賃金等を実現するための改正案がてんこ盛りになっています。
この3つの問題点以外にも色々とあり、安倍政権では正社員の解雇を自由化する法案の議論とかもされていました。こんなにも問題だらけなのに、安倍首相は早ければ5月中にも可決・成立まで行こうとしているのです。
あなたはどう思いますか?
2018年1月22日に行なわれた施政方針演説で、安倍晋三首相は非正規社員の一掃を宣言しました。
非正規雇用を無くすことで正社員を増やすのならば良いですが、働き方改革関連法案を見ていると、本当の目的は正社員の待遇を非正規雇用と同等にするつもりでは?と感じてしまいます。
↓安倍首相の施政方針演説
私達が声を上げなければ、国は動きません。一人ひとりの声は小さくても、それが合わさることで大きな流れを生みだす事もできるはずです。
まずはネットのような身近な場所から。
あなたの意見を、あなたの声を、国や政党、政治家に伝えましょう!
全ての国民に影響を及ぼす法案だからこそ、賛否問わずに意見をちゃんと言うことが何よりも大切です。
是非とも働き方改革関連法案が可決・成立する前に、皆で国民一人ひとりがシッカリと議論してほしいと私は思っています。
この記事がその小さなキッカケになれば幸いです。
*5月23日に強行採決が予定されているとの情報。それに合わせて抗議活動などもあります。
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