*ひろゆき氏
2ちゃんねるの創設者である西村ひろゆき氏のツイートが物議を醸しています。
問題となっているのはひろゆき氏が訴訟の賠償金について、「賠償金を払わないのは合法です。10年経つと払わなくて良いと民法に書いてありますよ。それが嫌なら法律改正すべきです」などと発言したツイートです。
ひろゆき氏は裁判所で賠償金の支払い命令が出たとしても、10年経過で時効となって支払わなくても合法だと強調。
これに対して弁護士などの専門家からは、
「一般的に、合法というのは、法規にかなっていること、法規に反していないことを指します」
「『民法に賠償する責任を負う』『支払わなければならない』と書いてあることを怠っているので、法規にかなっていません」
「裁判の判決で課せられた支払義務を時効まで無視すれば払わなくて済む、というのは、合法ではなく脱法」
というような指摘の声が相次ぎ、ひろゆき氏のツイートはネット中で問題視されることになりました。
実際に時効で賠償金の支払いが消失した事例は複数ありますが、その後に財産開示からの差し押さえなどが控えていることから、ひろゆき氏が言うような合法として受け止めるのはどう考えてもおかしな話です。
合法というよりも脱法行為で、法律の専門家からは大バッシング状態となっています。
賠償金を払わないのは合法です。
10年経つと払わなくて良いと民法に書いてありますよ。
それが嫌なら法律改正すべきです。 https://t.co/jxIaVOfEfF— ひろゆき (@hirox246) February 1, 2023
裁判の判決で課せられた支払義務を時効まで無視すれば払わなくて済む、というのは、合法ではなく「脱法」。
こんな風に、司法や裁判を馬鹿にして愚弄する人間を、識者や賢者のように持て囃すメディアも壊れている。「若者に人気がある」じゃなくて「若者への悪影響」をメディアは考えないといけない。 pic.twitter.com/x6h9fitqVa
— 山崎 雅弘 (@mas__yamazaki) February 1, 2023
さすがに法の支配、秩序の観点から、余りに酷いので一応書いておきます。
一般的に、合法というのは、法規にかなっていること、法規に反していないことを指します。
民法に「賠償する責任を負う」「支払わなければならない」と書いてあることを怠っているので、法規にかなっていません。(続) https://t.co/MSwzBhBMLW— 弁護士 小口 幸人 (@oguchilaw) February 1, 2023
民法709条は「賠償する責任を負う」、710条は「前条の規定により賠償する責任を負うものは,賠償しなければならない」と定めています。
賠償しなければならないと法が定めているものを、支払わないのは、どう屁理屈をこねても、法にかなっていませんので合法ではりません。(続)— 弁護士 小口 幸人 (@oguchilaw) February 1, 2023
もちろん、彼が指摘するように消滅時効という制度はありますが、過去に法にかなわない行為をした事実がなくなるわけではなく、ただ、その債権が消滅時効により消滅したに過ぎません。(続)
— 弁護士 小口 幸人 (@oguchilaw) February 1, 2023
不法行為に基づく損害賠償も、それこそ、養育費も婚姻費用も、売買代金も請負代金も貸金も、裁判所で判決で支払いを命じられ、それが確定したのであれば、これを支払わない行為は、合法ではありません。(続)
— 弁護士 小口 幸人 (@oguchilaw) February 1, 2023
なお、消滅時効という制度は、支払いを怠っている人を無罪放免にする制度ではありません。
実際に支払いをしたのに、その領収書等を保存しておかなかったばっかりに、再度請求されたときに、支払ったことを証明できないばかりに、再度の支払いをさせられるようなことがないよう設けられた制度です(続)— 弁護士 小口 幸人 (@oguchilaw) February 1, 2023
もちろん、その弊害として、本当に支払いをしていない人の義務まで消滅してしまうことはありますが、あくまで副作用です。
ぜひ、これだけ公で活躍されているのですから、ひろゆき氏には、過去の消滅時効の利益を自ら放棄し、時効にかかった分も含めて、きっちり耳を揃えて賠償してほしいものです。— 弁護士 小口 幸人 (@oguchilaw) February 1, 2023
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